最新研究レビューが明らかにした、ヘンプクリートの実力
2025年12月12日、日本で改正大麻取締法が施行されました。この法改正を契機に、環境と住む人に優しい建材として注目される「ヘンプクリート」を建築に活用する動きが、静かに広がり始めています。企業や自治体の間では、ヘンプクリートを新たな建材の選択肢として本格的に検討する段階に入ったといえるでしょう。
さらに最新の研究レビューによって、エコ建材として注目されるヘンプクリートの優れた特性が改めて明らかになりました。このレビューは、スイス・バーゼルに拠点を置くMDPI(Multidisciplinary Digital Publishing Institute)が、2025年に学術雑誌『Designs』で発表したものです。世界各地の研究成果を網羅的に比較・分析しており、個別の研究結果を総合的に評価することで、非常に高い信頼性を持つ報告として位置づけられています。
コンクリートの数倍の断熱効果も
ヘンプクリートは、産業用大麻の茎(ヘンプ繊維)と天然の石灰を組み合わせて作られる環境配慮型のエコ建材です。木造フレームと組み合わせて、外壁・内壁・屋根などに用いられることが多く、化学物質をほとんど含まない自然素材であることが大きな特徴です。
特に注目すべきは、断熱性能の高さです。コンクリートは外気の温度を直接伝えてしまいますが、ヘンプクリートは優れた断熱性能を持ち、条件によっては熱抵抗でコンクリートの10倍以上という報告もあります。
また別の研究では、ヘンプクリートを用いることで冷房のエネルギー消費を大幅に削減できることも示されています。加えて、原材料のヘンプは成長が非常に早く、育つ過程で樹木の数倍の二酸化炭素を吸収します。さらに、石灰が硬化する際にも空気中の炭素を取り込むため、建材として使用してもカーボンネガティブに貢献できる点も大きな魅力です。
理想的な壁の厚みは?
研究によると、ヘンプクリートの性能を最大限に引き出すための適正な壁の厚みは、気候条件にもよりますが約25〜38cm(10〜15インチ)とされています。
一般的な住宅の壁よりやや厚めですが、この厚みによって断熱性や調湿性などの特性が最大限に発揮され、「呼吸する家」として快適で清潔な室内環境を保つことができます。さらに、ヘンプクリートは石灰の性質により耐火性に優れ、防虫効果も高いのが特徴です。加えて、防音性や防カビ性にも優れ、住む人にとって心地よい環境をつくります。解体後は自然素材として土に還るため、環境への負荷もほとんどありません。こうした特性から、ヘンプクリートは「未来へ恩返しができる建材」とも言えるでしょう。
かつては「麻の壁が本当に法律で認められるのか」との不安もありましたが、すでに過去のものになりつつあります。2024年には国際住宅コード(IRC)にヘンプクリートが正式採用され、世界基準で安全な建材として認められました。これにより、住宅ローンや保険の面でも利用しやすくなり、導入環境が整いつつあります。
ヘンプクリートは、次世代の建築を支える重要な素材として、今後ますます注目を集めることでしょう。
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参考資料